『映画は生きものの記録である』 ニュース(5)
■4月10日(火)
「土本典昭の仕事—ある記録映画作家の軌跡」出版に向けて—土本宅にて。今回はいよいよアルバムの複写ということで、鈴木一誌さんは小型の複写台を持参。この複写台がなかなかのスグレモノで、ちょうど写真の引伸機ぐらいの高さのスタンドに、デジタル一眼レフカメラを固定すれば、あとはピントと光の加減の調整だけで、どんどん複写が進んでしまう。その調整もデジタルの時代になって、後でパソコンで修正が利くから大幅に楽になったという。「だから、こうやってお宅に持ち込んだほうが作業が早いのですよ」と鈴木さん。かくて、三百数十枚の写真の取り込みが5時間足らずで終了。これには土本さんも「すごい集中力だなあ」目を丸くされていた。
今後セレクトされるこの貴重な写真群、どのぐらい日の目を見るかはまだ分からないが、とにもかくにも楽しみである。(佐藤寛朗)
■4月11日(水)
4 回目の試写(映画美学校試写室)。今回が最終試写なので、これまでの実績から予想はしていたが、やはり人が溢れた。椅子はたちまち埋まり、補助椅子を用意し、さらに通路に座布団を出して座ってもらい、2名の方にはやむなく帰っていただくことになる。前回の試写には来られなかったマスコミ関係の記者が目立つ(ぜひ記事にしてほしい)。知人も目立ち、暫くぶりの再会に、暖かい挨拶をもらう。「三州屋」にて試写打ち上げの乾杯。今後の方針について打合せをする。季刊「at(あっと)」7号に、作品に寄せて熊谷博子さん(『三池』監督)の批評が掲載された。31年前からの土本監督との交流のなかで、ドキュメンタリーを撮ることの意味を教えられ、いまなお撮ることを自ら問い続けていることを綴っている。
この号には、鈴木一誌さんが土本監督の初期の傑作『ドキュメント路上』について新しい視点を提起。「時代のもつ技術と演出方法を最高度に発揮させたとき、映画は、ドキュメンタリーか劇映画であるかを問わず、<その時代を記録したドキュメンタリー>となる。」予告編は、いま、ここで上映しないと宣伝にならない!ということでアテネ・フランセ文化センターの特集「小川紳介と小川プロ」で映写されている。ドキュメンタリーのメッカ、ポレポレ東中野でも上映中で、ユーロスペースでは、キネコ作業が済み次第となる。これを機に作品は広く周知されていくことだろう。(伏屋)
■4月16日(月)
ユーロスペースでの『映画は生きものの記録である 土本典昭の仕事』の公開日が決定した。6月2日(土)からである。モーニングショーで行うが、開始時間は他の作品との兼ね合いもあるので、もう少し待たねばならない。
上映期間中に販売する作品のパンフレット作りに着手。かって『ねじ式映画 私は女優』など意欲作を制作した岩佐寿弥監督と藤原監督の対談を軸に、興味ある記事を掲載するため、執筆者の折衝に入る。(伏屋)


