『映画は生きものの記録である』ニュース(6)
■4月23日(月)
岩佐寿弥監督をお迎えして藤原敏史との対談をユーロスペース会議室で行う。パンフに掲載する記事用である。ついでに撮影も行う(キャメラマンは加藤孝信)。岩佐作品の『眠れ蜜』(1976)はドキュメンタリーとフィクションの領域を探求した作品として話題になった。最新作はチベットで撮影したドキュメンタリー『モゥモ・テェンガ』(2002年)がある。土本監督とは岩波映画以来50年来の交流があり、土本さんを最も知悉する方だ。70歳とはとても見えない。身のこなしは若々しい。
対談は岩佐さんの熱弁で始まった。岩佐さんには土本さんに長年持ち続けてきた「問い」があったと言う。それは、土本さんと共産主義との関係であり、土本さんは共産主義を時代に対峙する思想として生きてこられた。しかし岩佐さんの考えではそれだけでは土本さんを語ることにならない、もっと奥深い資性が潜んでいて、それこそが記録映画作家としての土本を形成しているのではないか? という問いである。その核にあるものは何か?それがやっと解けたと岩佐さんは言う―「“慈悲”の心―土本典昭のいちばん深いところにある“慈悲”の心なんですよ!」。長年の胸のつかえがストンと落ちたとばかり、岩佐さんの声は弾んだ。さらに、そう気付かせたのは、『映画は生きものの記録である』を観たからだ、と岩佐さんは続ける。その後話題は、水俣の患者さんのこと、日本人の精神、ダライ・ラマにまで及んでいった―圧倒的な語りに一同聞き入るばかりだった。
対談の一部始終はパンフに収録するので、乞うご期待。
ユーロスペースの北條さんから、上映開始時間を「10時20分より」とすることを告げられる。すでに初日は6月2日に決定していたので、ずっと開始時間を待ち焦がれていたのだ。これで連休明けに増刷するチラシに日時を書き込められる。(伏屋)
■4月24日(火)
「東京・水俣病を告発する会」が季刊誌の中にチラシを同封して、全国に配布してくれることになった。心強い協力に感謝。
■4月25日(水)
渋谷のヨコシネ(現像所)にて、35ミリの予告編の初号試写。すでにDV-CAM版はポレポレ東中野で流している。ユーロスペースでは35ミリに限られるので、発注していたのだ。わずか2分の映写というものの、スタッフ、眼をこらして見つめる。果たして素晴らしい仕上がりに一同大いに満足。さっそく4本を追加発注する。(伏屋)


